そば店「染地台藪蕎麦」(浜松市浜北区染地台、TEL 070-3961-0084)が8月1日、オープンした。
高校卒業後、そば作りの道に進み約50年になるオーナーの大貫勇一さん。昨年の6月まで、神立町でそば店を経営していたが、体調を崩したため閉店。その後、伊豆の温泉で静養し、そのかいあって体調が良くなったことから、再度店をやりたいと考えるようになった。物件を探していたところ、気に入った建物を見つけたことから、同所で開店することを決め、オープンにこぎ着けた。
店舗面積は約10坪。カウンター席が4席、テーブル席が4席の計8席。店舗はもともと大正時代の蔵を移築した建物で、床は松の1枚板が使われており、天井には大きな梁(はり)がある。保健所の営業許可が下りるように改装した部分はあるが、それ以外はほぼそのままを生かしている。駐車場から店舗に向かう入り口には木の門があり、庭は和風庭園で、風情を感じることができる。
もともと常連客が多く来店し、メニュー表がなく、もりそばのみを提供していた同店。殻のついたそばの実を店内で脱皮し、粉にしたものを打って作った10割そばを提供。現在は永平寺産と大野産のそばを、寸目が20目、30目、40目のふるいを使い分け、作ったそばを用意。提供できる数には限界があり、10人程度での注文で終了してしまうという。
ゆでた時にそばが一番おいしい状態になることを考え、1回にゆでるのに最適な量を1枚ずつ提供するが、2~3枚程度食べる人が多いという。数種類の塩と2種類のつゆを用意しており、「そのまま」、「塩」、「つゆ」といった食べ方で楽しんでもらっている。そばを食べたあとは、通常のそば湯と、そば粉を混ぜたとろみのあるそば湯の2種類のそば湯を提供する。
新型コロナウイルスの対策として店頭に手指用のアルコール消毒を設置。カウンターにはアクリル板を設置し、テーブル席は対面にならないように配慮。来店客が帰ったあとには、窓を開けて換気を行っている。
「本来持っているそばの力をどうやって100%引き出せるかが課題。いい仕事をしよう、そう思ってそばを作っているだけ」と大貫さん。「うちの味を気に入ってくれている常連さんのためにこの店を作った。そばは毎日味が違う。そば自身の味を知ろう、楽しもうと思っている人が興味を持って味わってくれれば」とも。
営業時間は11時30分~13時、金曜定休。