浜松市で飲食店横断型のサブスクリプション(月額定額制)サービス「やらまいかパス」が3月8日、始まった。
同サービスは、食のマーケティング総合企業「favy(ファビー)」(東京都新宿区)が運営。新型コロナウイルス感染症により大きな影響を受ける飲食店に対し、来店促進を目的とする。全国のベンチャー企業から実証実験プロジェクトを募集する「浜松市実証実験サポート事業」の一つで、浜松市は実証フィールドの提供や費用の補助など総合的に支援する。
月額500円を支払い会員になることで、「ドリンク一杯無料」や「テイクアウト50円引き」など、店ごとに設定された特典を受けられる。参加店を周遊しながら、1日に複数店での利用もできる。契約は1カ月単位だが、インターネットでいつでも解約できるため、気軽に申し込める。会員券の売り上げは参加する飲食店に還元するため、収益改善も支援。通常、飲食店側は運営元に利用料を支払う場合が多いが、同サービスは負担なく参加できる。開始時点での対象店舗は約30店だが、随時募集を受け付けており、浜松駅周辺エリアから順次拡大する予定。当初、1月から開始だったが、感染症拡大の影響により延期し、3月8日から開始した。
参加する飲食店からは「サブスクリプションサービスに関心があったので、導入する良い機会になった」「来店数と常連客の増加に期待する」との声が届いている。月額費を調整して別の特典を用意するなど、今後も試行錯誤しながら運用する。「コロナ禍での飲食店の落ち込みの解決につながればうれしい」と同市産業振興課の宮崎信樹さん。「多くの方が登録し、このサービスを盛り上げてほしい」とも。
申し込みは、各店頭とホームページで受け付ける。