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浜松の酒造が「どこでも鏡開き」たる酒販売へ コロナ禍に対応し考案

多くの人に楽しんでもらいたいと期待する広報担当の石川貴大さん

多くの人に楽しんでもらいたいと期待する広報担当の石川貴大さん

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 花の舞酒造が(浜松市浜北区宮口、TEL 053-582-2121)3月12日、「どこでも鏡開きHACOだる(たる)」の販売を始めた。

紙製で気軽に鏡開きができる「どこでも鏡開きHACO樽」

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 新型コロナウイルスの流行により、昨年の浜松まつりが中止になるなど、なかなかお祝い事もできず、たる酒を使った鏡開きも行われていない状況だった。そこで、何か代わるものがないか模索していた同酒造。自宅で気軽に楽しめるよう、ボール紙を使って鏡開きのたるを作るのはどうかという案が持ち上がった。もともとどこの酒造メーカーも作ったことがなかったため、パッケージの製作を依頼した段ボールを扱う会社と何度もすり合わせを行い、一から同商品を作り上げ、販売にこぎ着けた。

 菰(こも)だる型のパッケージ、たるのふた、木槌(きづち)、メッセージを書き込める木札など、すべて紙でできた同商品。紙を使うことで、使い終わったら簡単に処分することもできる。自宅や好きな場所で、少人数で楽しんでもらえるよう、縦約12センチ、横約15センチ、重さ約1.2キロのコンパクトなサイズとした。木づちでふたをたたくことで、ふたが割れて中に入っているカップ酒が取り出せる仕組みとなっているが「開発当初はふたがきれいに割れず、苦労した」と広報担当の石川貴大さん。

 パッケージの中には、回し飲みせずにすむよう、120ミリリットルの飲み切りサイズのミニカップ酒が5本入っている。カップ酒は、さまざまな年齢層の人に楽しんでもらえるよう、くせのない本醸造で、熱かんや冷や、常温とどの温度でも楽しめるほか、レモンで割ったり、炭酸で割ったり、フルーツを入れてサングリアのように楽しんだりできるため、日本酒が苦手な人でも飲みやすいという。

 すでに多くの人が購入しており、飲食店が来店した人に楽しんでもらうために利用したり、ホテルが大切な宿泊客のおもてなしに利用したり、歓送迎会ができない保育園が同商品を配ったりとさまざまな形で利用されている。「みんなで集まることは難しいかもしれないが、家族など少人数で鏡開きを楽しんでもらえれば」と石川さん。「いろいろと大変な時期ではあるけれど、お酒を通して多くの人に楽しませていきたい」とも。

 価格は1,760円。酒店や百貨店、一部スーパーマーケットなどで販売する。

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