浜松のクリエーター団体「「BABY BOX Supporters(ベビーボックスサポーターズ)」が2月28日、遠州織物を使ったベビー用品の詰め合わせセット「はままつBABY BOX」の販売を始めた。
同商品は、2021年12月に発足した、子育て中の母親や浜松へ移住したクリエーターなどの5人から成り立つ団体「BABY BOX Supporters」が開発した。ベビーボックスは、フィンランド発祥の育児支援施策の一つで、子どもが生まれると政府からベビー用品の詰め合わせセットを無償提供するという。
同団体代表でテキスタイルアーティストの桂川美帆さんは3年ほど前に浜松へ移住。2人目の子どもを出産し、知り合いもいない不安な環境で育児をしていた。作品づくりに使う遠州織物生地の職人と話した際に、衰退する事業存続の厳しさを耳にし、何か力になりたいと思ったという。
「この素晴らしい生地を多くの人に届けたいと思った時、ベビー用品にぴったりだとひらめいた」と桂川さん。地元素材を使った商品なら、自分のように不安な思いで育児をする親も、地域に応援された気持ちになるのではと考え、ベビーボックスの開発を決めた。
職人の技術を母親目線で商品に落とし込んだセットを2種類用意する。「5点セット」は、遠州織物の風合いを生かした生成り(きなり)色の「スタイ」、桂川さんが浜松をモチーフにデザインした注染染めの「てぬぐい」、浜松産ヒノキを使ったユラユラと動くおもちゃ「モビール」など。「7点セット」は、糸本来の風合いを生かした「バスタオル」となめらかな手触りの「抱っこまくら」が加わる。
「地域の協力があって完成した商品を、子育て中の親に実際に触れてほしい。赤ちゃんはもちろん、育児をする人の癒やしにもなってほしい」と桂川さん。「育児環境の改善や、地場産業の現状にも興味を持つきっかけになれたら」とも。
価格は5点セット=1万7,490円、7点セット=2万4,200円。「BABY BOX Supporters」公式ホームページの予約販売と、家づくり相談窓口「Home HAMAMATSU(ホームはままつ)」(浜北区)での販売(5月15日・20日)を予定する。