屋根をふいていた銅板が盗難被害に遭った初生衣(うぶぎぬ)神社(浜松市浜名区三ケ日町岡本、TEL 090-4194-0539)が現在、修復に向けての緊急支援プロジェクトを行っている。
機織りの神・天棚機媛命(あめのたなばたひめのみこと)を祭り、遠州織物の聖地ともいわれる同神社。被害に遭ったのは5月19日未明。本殿正面と鳥居、神庫の屋根に使われていた銅板が何者かにはがされ、持ち去られていた。近所の人からの通報で被害を知ったという宮司の鈴木栄男さんは「怒りを通り越して、あきれて物が言えない。なぜこんなことをするのか」と話す。同じ時期に静岡県西部の他の神社でもす銅板盗難被害が相次ぎ、同一犯の仕業と見られている。
修復の費用には、本殿と鳥居で約960万円が、神庫で約193万円が、それぞれかかると見られる。寄せられた地元住民や遠州織物関係者からの見舞金や寄付だけでは賄いきれないため、8月20日から、広く寄付を募るクラウドファンディングに取り組んでいる。寄金は、被害修復と防犯カメラ設置など防犯対策強化に使う。9月3日現在で約160万円が集まった。
クラウドファンディングについて、鈴木さんは「昨年1月には、伊勢神宮に奉納する御衣(おんぞ)を織る場所だったと伝わる織殿の修復でも多くの人に寄付してもらったばかり。心苦しいが、とにかく前に進まなくてはいけない」と話す。
当面の目標額は300万円。遠州綿紬の「ぬくもり工房」(染地台3)と連携した「良縁祈願ひも守り」や遠州織の手書き御朱印、8月の棚機祭(たなばたまつり)への短冊奉納などの返礼品も用意している。
来年4月の例祭「おんぞ祭り」までに修復を終えるためには、年末までに着工する必要があるという。鈴木さんは「神社を次の世代につなぐために、温かな支援をお願いしたい」と話している。