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浜松のソースメーカーが「最強のとんかつソース」開発 昨年の挫折を経て

販売する「最強のとんかつソース」

販売する「最強のとんかつソース」

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 浜松の老舗ソースメーカー「鳥居食品」(浜松市中区相生、TEL 053-461-1575)が12月19日、今年自社開発した「最良」のソース「The Sauce 2018」の販売を始める。

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 「究極のソースプロジェクト」として毎年あるテーマに基づいて究極のソースを発表し、今年で7度目の開発となる。初年度は「砂糖を使わず野菜果物の甘味で作るソース」をコンセプトに開発。2年目は「震災から考える半径50キロ内で手に入れた原料のソース」、3年目は「野菜からとれる10パーセントのぜいたくなフォンで作ったソース」を開発し、いずれも100本限定で販売したところ数日で完売した。4年目以降は「より多くの人に届けたい」という思いから200本に増産。その後も「和風に合うソース」や「浜名湖参加機で作ったオイスターソース」、「有機玄米発酵でつくったソース」を販売し、いずれも数日で完売するほどの好評を得ている。

 2017年は「とんかつをおいしく食べるソース」をテーマに設定。「マスタードソース」と「ひれカツに合うソース」、「ロースカツに合うソース」の3つに挑戦したが、納得のいく製品ができず販売を断念した。どのブランド豚に合わせるかで迷い、行き詰まってしまったという。しかし、あるグルメ雑誌の記事を読んだことがきっかけで、「細分化するのではなく、シンプルにとんかつに合うソースを作ろう」と考えた社長の鳥居大資(だいし)さん。その後も研究を進め、今年「最強のとんかつソース」として販売にこぎつけた。

 同社のウスターソースをベースに製造。保存されている中でももっとも古く濃厚でまろやかな味わいの8年熟成のウスターソースを使うことで、豚肉の個性に負けない力強さになったという。また、りんごを使った中濃ソースをブレンドすることでフルーティーな甘みを加えた。甘みが加わるだけでなくとろみが増し、食べる際にとんかつの衣をサクッとした食感で味わうことができる。

 とんかつに添えられる調味料の一つに「からし」があることから、ソースに自社特性のマスタードを組み込んだ同商品。地元農家「農ティス」にからし菜の栽培を依頼し、マスタードシードを収穫。一房一房粒を取り出し、自家醸造の醸造酢で洗浄した後、焙煎(ばいせん)せずに低温貯蔵で保管。さらに、マスタードシードの味や香りを逃さぬよう、菜種油でコーティング。菜種油は、国産の菜種から低温抽出することで酸化を抑えた品質の高い菜種油を使う。ウスターソースと中濃ソースの濃厚でまろやかな味の中に、スパイス感のあるソースに仕上げた。

 「8年熟成のウスターソースを使ったことで、辛すぎずまろやかな味に仕上がったので、子どもでも食べやすい。家族みんなで食べてほしい」と鳥居さん。「今後はとんかつの部位ごとに合うソースの探求をしていきたい。とんかつの奥深さを追求し、さらに『深化』させていけたら」と意気込む。

 価格は100ミリリットル入り=2,000円。同社オンラインショップと工場直販所のみで扱う。

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