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浜松・花川町のバラ園で開花ピーク 亡き妻しのび800坪に1500株のバラ

最盛期を迎えている同園

最盛期を迎えている同園

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 バラ園「ばらの都苑(みやこえん)」(浜松市中区花川町)のバラが開花のピークを迎えている。

園主の天野和幸さん

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 園主の天野和幸さんが亡き妻をしのんで作った同園。約816坪の敷地に、約300種、1500株のバラが咲く。今年は5月中旬から最盛期を迎え、6月上旬までが見頃だという。バラ園には自由に出入りでき、赤や白、ピンク、黄色などさまざまな色のバラが咲き誇る。「心」をテーマに、さまざまなモニュメントを作成。城の形の骨組みにバラが咲く「恩(めぐみ)の塔」や、「慈(いつくしみ)の門」、バラで「愛」や「絆」の文字を成形するなど、それぞれにテーマを決めて作り上げる。「観光園ではないので、目で見るのではなく、心で見てほしい」と天野さん。

 メインテーマの「心」とは別に5年ごとに自身でテーマを決め、モニュメントを作成。オリンピックが決まった年から東京オリンピックに向け5輪マークや「TOKYO 2020」の文字を準備している。さらに今年は、元号が変わるタイミングだったため、新しく「令和の塔」を作成。バラのシーズンになると平日で平均約700人、週末には1000人を超える来場者がある。若者からお年寄りまで幅広い年代の人が、スマホや自撮り棒を持参して写真を撮影して楽しんでいくという。

 今年で20年目に突入した同園。園名の「都」は妻の名前。末期の肺がんと診断された妻を連れ、ホスピスに入る前に2人で島田市のバラ園を訪れたことがきっかけ。妻への感謝と供養をするため、兄弟で起こした鉄工所の横の茶畑をバラ園へと作り変えた。造成工事と植え付け以外の管理は全て天野さん1人でこなす。「1人でやることが供養。それを貫き、命がけで自分のすべてを掛けて供養としてやっている」と天野さん。誰に教わることもなく、独学でバラを育ててきた。バラの種類や特性を見極めて、作ろうとする造形物とそれにあった品種のバラで作り上げているという。天野さんの取り組みは高く評価され、数々の賞を受けた。2016年に「全国花のまちづくりコンクール」で「農林水産大臣賞」を受賞した。

 「20年やって来られたのは地域の人の協力があったから。来園者の車が多く、近隣の人には迷惑をかけてしまっている」と天野さん。「毎年楽しみに来てくれる人も多く、年に4、5回来てくれる人もいる。次の5年に向けていろいろと計画をねっている。自分の使命だと思ってこれからも続けていく」とも。

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