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浜松・北田町の居酒屋、客との縁を大切に交流続け45周年

店主の長谷川誠さん(写真右)と浩さん(左)

店主の長谷川誠さん(写真右)と浩さん(左)

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 浜松・北田町の居酒屋「食事処(どころ) はせがわ(浜松市中区北田町、TEL 053-454-7408)が9月8日、45周年を迎えた。

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 1973(昭和48)年に妻と2人でおにぎりと茶漬けを提供する食事処として店を始めた店主の長谷川誠さん。最初は知人や同級生などが多かったが、次第に客もつき、1980(昭和55)年にはすしの提供や仕出しなども行うようになった。当時は市役所の職員や浜北方面からの客も多く、繁盛していたという。

 バブル崩壊後、急に経営が厳しくなり来店客が減少。1989年に店舗を建て直したが、郊外には居酒屋、街中にはチェーン店が増え、厳しい時代が続いた。経営が厳しい中でも、一人一人の客とのコミュニケーションを欠かさず、客を大切にしてきた長谷川さん。仲良くなった客と一緒に旅行をしたり、年に2回宴会を開催したりと、接点を多く持つように努力してきた。

 45周年を迎えた当日、45を「始終(しじゅう=45)ご縁」と捉え、縁のある人たちを招き祝賀会を開催。東京や横浜、名古屋、京都など全国から長年付き合いのある人たちが参加し、北海道から駆け付けた人もいたという。「1回しか来店したことのない客でも、三ケ日みかんなど郷土の贈り物をしてお付き合いを続けてきた。いつでも客を大切にしている」

 店舗面積は約15坪。1階はカウンター10席、2階と3階には座敷30席を用意。レトロな雰囲気の居酒屋で、落ち着きのある店内。家庭的な店作りを心がける。

 メニューは浜名湖や遠州灘の旬の魚を使った「にぎりすし」(上=1,620円)や、浜名湖産のウナギを使った「うな重」(3,240円)などのうなぎ料理を中心にそろえる。「はせがわ名物 じゃがバター」(440円)や「焼鳥」(160円)などの一品料理も用意。ウナギ料理と焼き鳥のたれは45年間継ぎ足してきた秘伝のたれを使う。提供するメニューに使う野菜は国産にこだわり、自家栽培のカボチャや大根、白ネギ、サツマイモなど、無農薬の季節の野菜も取り入れる。メニューに載せる金額は「円」ではなく「縁」で表記し、客との縁を大切にする。

 「保存料や添加物を入れず、シンプルな調理法で素材を生かした味で提供している。安心・安全な食を提供していきたい」と息子で店長の浩さん。誠さんは「昔に比べると街中のにぎわいが減ってしまっているように感じる。浜松の人たちは新しい店には敏感だが飽きが早いので、長年続けていくことは簡単ではない。街中にもっと人が集まり、当店にも飲みに来てもらえたらうれしい」と話す。

 営業時間は11時30分~13時30分、17時~22時30分。日曜・祝日定休。

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