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浜松の老舗ソースメーカーが「焼きそばセット」販売 究極のソース開発を経て一般商品化

鳥居食品の「焼きそばセット」

鳥居食品の「焼きそばセット」

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 浜松のソースメーカー「鳥居食品」(浜松市中区相生)が5月20日、「焼きそばセット」の販売を始めた。

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 同社は毎年、「ソースづくりの粋を集めた究極のソース」を開発する「究極のソースプロジェクト」を、テーマを設けて企画しており、2020年と2021年は「焼きそばソース」を開発。両年ともに販売から数日で完売。購入者からも高い評価を得た。今回、焼きそばソース作りの集大成として、ソースと麺をセットにした商品を開発した。

 同ソースは、通常販売するソースとは違い、浜北産次郎柿「黒柿」を使い甘みを引き出す。だしにはサバ節を追加し、同社の独自製法「木桶(おけ)熟成」で仕上げる。セットの麺は製麺会社「金子食品工業所」(藤枝市)と共同開発。一般的には焼きそばの麺は、食品添加物の一つである「かんすい」というアルカリ塩水溶液を混ぜ、麺に柔らかさを出した「蒸し麺」だが、蒸し麺は消費期限が短い。そこで、乾麺をセットにすることで麺の消費期限を担保。麺の張り付きを防ぐために使う油は、ソースとの相性が悪いため、「かんすいと油不使用」という条件で最適な麺を探し、「金子食品工業所」と出会ったという。

同商品は、全粒粉を使用しており、全粒粉入りの乾麺を湯がくともちもちとした食感と、かんだ後の麦の旨味を味わうことができるという。社長の鳥居大資さんは「我々はソースを作る事ができても、料理に使う食材によって味は千差万別となり均一化できない。このソースに合う麺をセット販売することで、『完成した焼きそば』を提供したかった」と話す。

同梱する乾麺は45グラムで、茹でると100グラムになる。一般の蒸し麺に比べ少ないがあえて少なくすることで一人暮らしの消費者や高齢者でも食べきれるように配慮する。同社によると、鳥居社長は「ソースと麺、両方が食品添加物不使用の焼きそばは少ない。健康志向の焼きそばとして、新しい道を生み出せた」と話す。

 発売日には試食会やワークショップを「鴨江アートセンター」(中区)で開催した。「乾麺の茹で方で生まれる味の違いを楽しんでもらえた」と鳥居社長。「今後も消費者の声を聞きながら、よりよいものに改善していきたい」とも。

 価格は、ソース(200ミリリットル入り)と乾麺6個(1個=45グラム)のセットで1,600円。「鳥居食品」オンラインショップ、工場直販所、新東名高速道路浜松サービスエリアで販売する。

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