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浜松・和田町にそば・うどん店 がん乗り越え、余生に趣味だったそば・うどん店を開業

店主一押しの「鴨なんばん」

店主一押しの「鴨なんばん」

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 そば・うどん店「寄せ椀」6月18日、浜松市東区和田町にオープンした。

和の雰囲気とモダンな照明の店内

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 空調設備業界で働いてきたが、がんを患い60歳で仕事を辞めた店主の埋田実行さん。「70歳まで生きられたらもうけものだ」と思いながら生活を続けてきたが、70歳でがんが再発。今年1月に手術を受け、2月に退院。療養生活を送っていた時、自宅付近のラーメン店が閉店しテナントが空くという話を聞いた。余生に何か始めたいという考えがあったことから、テナントを契約。以前から趣味でそばやうどんを作り、友人に振る舞い評判も良かったことから、開業を決意。周りの意見を聞きながらメニュー構成を考え「早い・安い」をテーマにしたそば・うどん店としてオープンにこぎ着けた。

 店舗面積は約15坪。カウンター7席、テーブル12席の計19席。店内は和の雰囲気を出し、モダンな照明。埋田さんの好きなゴルフの用語「寄せワン」と、いろいろな麺つゆを食べ比べられる「寄せ椀」というメニューを考えていたことから、店名を名付けた。

 メニューは「かけ」(400円)や「とろろ」(600円)、「かきあげ」(550円)、「天ぷら」(700円)などリースナブルに提供。つゆはカツオ、昆布、シイタケなどからだしをとり、少し濃い目で甘口のつゆに仕上げる。関東出身の埋田さんは昔から慣れ親しんだ味付けに、知り合いや客の意見を取り入れながら改良。鴨ロースのスライスや鴨肉団子を添えた「鴨なんばん」(800円)や、鴨肉団子をそばやうどんにのせた「鴨肉だんご」(700円)は1日限定5食を用意。鴨からだしをとった甘めのつゆはわさびを入れることで甘みが少し消え、2度楽しむことができるという。鴨を使った料理は、鴨が好きな埋田さんの一押しメニューとして提供。「私はゴルフの時の昼食はいつも鴨せいろにするくらい鴨が好き。まだまだ注文する人が少なく寂しいが、頼む人が徐々に増えていってくれたらうれしい」と埋田さん。

 早く提供できるようにメニュー数は絞り、客が迷わず注文できるように配慮する。注文から提供までの時間は3~5分が目安で、混雑時も10分はかからないように心がける。「自分が空調整備業をしていたころ、昼食をとる暇もないくらい忙しかった。サラリーマンにとって早く出てくることはうれしいはず」と埋田さん。「今後は体力が戻ったら夜の営業を始める予定。かつおだし、鴨だし、あっさりした天つゆなど、複数のつゆを用意し食べ比べられる『寄せ椀』というメニューを考えている。『つゆを変えるだけでこんなに違うのか』という違いに驚き、楽しんでもらいたい」とも。

 営業時間は11時30分~14時。月曜定休。

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