浜松に新食感の土産菓子-観光客をターゲットにマーケティングから商品開発

新しい食感を表現した「黒びすけ 出世街道」

新しい食感を表現した「黒びすけ 出世街道」

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 浜松の菓子会社「田町梅月」(浜松市西区坪井町、TEL 053-447-8866)が10月10日、黒糖を使用した和菓子「黒びすけ 出世街道」を発売した。

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 1932(昭和7)年創業の同社。和菓子の贈答需要が減少傾向にあるため、従来とは違うターゲットへの商品を考えていた。今までは地元客メーンに販売してきたが、今回観光客を視野に入れた商品開発を行い販売することにした。

 商品開発に当たり、観光土産のマーケティング調査からスタート。味は当然のことながら、価格やサイズ、数量、購入者の年齢層など観光客がどのようなものを求めているかを分析し、準備を進めていった。「単なる観光土産ではなく、独自性がありクオリティーの高い物を作りたかった」と社長の富田直満さん。

 浜松が「出世の街」として認知されてきていることなどから、徳川家康に関連付けた商品名を考案。浜松だけでなく家康出生の地である岡崎や、出世し活躍した地である静岡でも販売できるよう、その成功への道筋をイメージした「出世街道」とした。商品名に表記されている「黒びすけ」は、外はカリッとしていて中は軟らかめにできており、普通のビスケットやかりんとう、ボーロ菓子などとは違う新しい食感を表現。黒糖の甘みと麦の香りを堪能できる味わいとなっている。素材に使用する麦は袋井市浅羽町で作られたものを使用し、黒糖やきな粉なども国産にこだわり安全面にも配慮する。

 土産用の箱入り(15個入り=税別800円)と家庭用の袋入り(10本入り=同500円)の2パターンを用意。土産用は文箱(ふばこ)をイメージした黒色の重厚感あるデザイン。箱を開けると家康が残した遺訓が記され、箱に巻かれている帯には房紐(ふさひも)を描くなど文箱らしさをより引き立てるよう、細かな部分にもこだわったという。「歴史好きな人も興味を持ってくれるのでは」と富田さん。商品名の表記の仕方は、土産用は浜松の土産物と分かるように「出世街道」の文字を大きく、家庭用は新しく作ったオリジナル商品であることを伝えるため「黒びすけ」の文字を大きくするなど工夫を凝らす。

 商品は浜松、岡崎駅構内の購買や浜松のショッピングモール、直営店で販売しており、順次販売場所を広げていく予定という。「初めてでも懐かしい誰でも好む味になっている」と富田さん。「縁起の良い名前にもなっているので浜松以外の人にも親しんでもらえたら」とも。

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