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浜松のサザンクロス商店街で震災復興イベント 岩手県からの移住女性が手作り開催へ

親子で盛り上がった「お菓子まき」のイベント

親子で盛り上がった「お菓子まき」のイベント

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 浜松・砂山町の砂山銀座サザンクロス商店街(浜松市中区砂山町)で現在、震災復興イベント「砂山2525(にこにこ)マルシェ」が開催されている。

ハンドメイド雑貨が並ぶ商店街

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 岩手県盛岡市出身で東日本大震災を経験した実行委員長の佐々木郁恵さん。震災後1年は実家の縫製業を手伝っていたが、物流網の寸断から仕事が減り、夫の仕事の関係で3人の子供を連れて家族で浜松に移住。移住後は得意のハンドメイド雑貨をフリーマーケットに出品することで、浜松の中で友人が増えていった。地元岩手県の商店街に似ていることから同商店街をとても気に入っている佐々木さん。移住後不安だった自分を受け入れてくれた浜松の方に恩返しをしたいという気持ちと、シャッター街となった同商店街を盛り上げたいと思いがあり、同所でハンドメイドイベントを開催しようと考えていたところ、同時期に「浜松七夕ゆかたまつり」に参加しないかという誘いがあった。商店街側から、約20年前に行われていた同所での七夕まつりをこの機会に復活して欲しいという声があり、佐々木さんと商店街側の活気を取り戻したいという思いが重なり、共同でイベントを企画し、開催にこぎ着けた。

 夏休みに家族と楽しめるイベントとして開催されている同イベント。地域の小学生の母親らの協力やハンドメイド仲間の協力で準備を進めてきた。少ない予算の中、装飾やポスター、吹き流しなども手作りで準備。市販のビニールテープや接着剤を使い制作したという。

 浜松近辺からハンドメイド雑貨やアクセサリー、飲食店など、全日通して約50店が出店。アジアン雑貨や和雑貨など、ハンドメイド作家が作る雑貨が並ぶだけではなく、子どもの楽しめる射的やヨーヨー釣り、輪投げなどの縁日企画も用意する。8月5日は、砂山朝市を開く。地元の野菜や雑貨が並ぶほか、浜松に縁のあるゆるキャラが訪れるイベントも企画する。6日は、毎年行われている「サザンクロスの音楽会」を開催するなど、さまざまな企画を用意する。同演奏会はプロの演奏家が演奏し、毎年200~300人の人が訪れるという。

 出店者の中には静岡大学教育学部附属浜松中学校の生徒が授業の一環として参加しており、子供向けにぬり絵コーナーを用意。生徒たちは出店に加え、イベント準備から当日の進行も手伝っている。同イベントの利益は全額「復興支援いわて負けるもんかプロジェクト」を通じて岩手県の小・中学校に寄付する。

 開催初日は夏休み中の子どもや、親子でイベントに参加する人が多く見られた。子供向けにミニトレインやお菓子まきなどが行われ、シャッター街となってしまっている同商店街が多くの人でにぎわっていた。

 「震災のことを忘れてほしくないという思いがある。震災の時、地域のつながりが本当に大切だと気付かされた」と佐々木さん。「こういったイベントを通して地域の輪を広げていき、何かあった時に助け合える絆を作っていきたい」とも。

 開催時間は13時~20時。(5日の朝市のみ10時~)。8月6日まで。

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