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浜松でカーボンニュートラル目指した「究極のソース」販売 CO2排出量66%削減

鳥居食品の「究極」のソース「The Sauce 2023 カーボンニュートラルを目指したソース」

鳥居食品の「究極」のソース「The Sauce 2023 カーボンニュートラルを目指したソース」

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 浜松の老舗ソースメーカー「鳥居食品」(浜松市中区相生)が11月28日、究極のソースプロジェクト第12弾商品「The Sauce 2023 カーボンニュートラルを目指したソース」の販売を始めた。

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 毎年異なるテーマを設けて、同社のソース作りの「粋を集めた究極のソース」を開発する同プロジェクト。関連商品は例年、販売から1~2日で完売する人気を集める。今年のテーマを決めたきっかけは、社長の鳥居大資さんが所属する経済団体で中小企業のカーボンニュートラルに関する政策提言をしたことから。

 同社によると、「脱炭素社会におけるソースづくり」をコンセプトに原材料の仕入れ先と製造工程を見直し、同社定番のウスターソースと中濃ソースを従来と異なる製造方法で作り上げたことにより二酸化炭素排出量を66%削減したという。同社が省エネルギーセンターで受けた「R4省エネ最適化診断報告書」に基づき、二酸化炭素排出量算定係数を掛け合わせて算出。検証の対象は、原材料の産地からの輸送と自社製造に使ったエネルギー消費量とし、商品出荷後の輸送エネルギーや容器の廃棄に係るものなどは含まない。

 プロジェクトは約半年前からスタートし、まず原材料の産地をより近くにすることで、輸送にかかる燃料削減を目指した。サトウキビは、鹿児島産から浜松産に、塩はメキシコ産から静岡県掛川市で海水をゆで上げた天然塩「沖ちゃん塩」に変えた。このほか、マレーシア産の黒胡椒は沖縄産のコショウ科植物「ヒハツ」に変えるなどした。製造工程の見直しにおいては、従来は原材料の野菜を煮詰めて仕込んでいたが、非加熱の酢漬けに切り替えてエネルギー使用をゼロにした。

 パッケージデザインはできる限り簡易包装にしたいと、同社ロゴマークをあしらった和紙に、鳥居社長の子どもが筆を使って「究極のソース」の文字を手書きして仕上げた。出来上がったソースの風味は従来の商品と比べて、サトウキビに由来する香りをより感じるようになったという。

 同社では今年12月から工場の太陽光パネル設置工事を予定しており「さらにカーボンニュートラルに近づける。この取り組みに終わりはなく、炭素負荷の低いものづくりを目指し努力していきたい」と鳥居社長。「消費者の価値観や生活スタイルが変化している中で、カーボンニュートラルというテーマもその一つ。今後もこの価値変化に対応していきたい」と意気込む。

 価格は、ウスターソースと中濃ソース(以上、200ミリリットル入り)2本セット=3,000円。200セット限定販売商品。同社オンラインショップと工場直販所で販売する。

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