浜松で「うなぎ米」収穫-こだわり生かしブランド化へ

「うなぎ米」収穫風景

「うなぎ米」収穫風景

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 浜松・細江の水田で9月10日、ウナギの残りかすを肥料に使って作る「うなぎ米」の収穫が行われた。生産するのは「うなぎ米プロジェクト」。

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 ウナギの稚魚の不漁が続く中、貴重な地域の資源を有効利用する商品開発を行っている同プロジェクト。「うなぎ米」はウナギの頭や魚のアラ、カニなどの魚介類を混ぜた有機JAS規格の適合肥料を入れた水田で育てた特別栽培米の地元ブランド「細江まいひめ」。栽培する水田は、かつて川魚やウナギの稚魚が生息していた水田で、水田鑑定士の鑑定により「生物判定特A」「水質判定特A」の評価を得ており、2年前の鑑定の際には実際にウナギの稚魚の生息が確認された。5月に田植えを行い初め、この度収穫時期を迎えた。

 ウナギの残りかすを混ぜた適合肥料の栄養が土壌に反映されるまで約3年かかるため、長い期間をかけて「うなぎ米」を理想形に育てていく。「今年はまだまだ実験段階ではあるが、試行錯誤しながら作っている」と同プロジェクトのメンバーでウナギのテークアウト専門店「うなぎの井口」(浜北区平口)店主の井口恵丞(けいすけ)さん。なるべく農薬などの使用も抑え、環境や生物にも配慮した米作りを心掛ける。

 460キロ収穫された「うなぎ米」。約7割はそのまま販売し、残りは原料として使っていく。10月の上旬より「うなぎの井口」店頭と、同プロジェクトに共同参加している「とんきい」(北区細江)で販売を始める。ほかにもパン店と共同で、炊いた「うなぎ米」を生地に混ぜたバンズを使って作るハンバーガーなどの販売も検討中。「作って終わりではなく、商品の流通まで責任を持って行っていきたい」と井口さん。同店がイベントで販売する「うなぎ弁当」にも使うという。

 「ウナギの良さをいろいろな形で知ってもらうのも産地における専門店の責務だと思っている」と井口さん。「うなぎ米を通じて浜名湖のブランド商品を多くの人に知ってもらえたら」とも。

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