浜松・肴町に9月16日、深夜営業する洋風居酒屋「しまうまKitchen」（浜松市中区肴町、TEL 053-456-8870）がオープンした。

ハウスワインや自家製サングリアによく合う「パテ・ドゥ・カンパーニュ」

　オーナーシェフの坂下隆之さんは20年間東京で過ごし、イタリアンベースの飲食店に勤務。独立を考えた時に東京よりも地方都市への可能性を感じ、地元である浜松へ帰郷。久しぶりの故郷でマーケティングリサーチと同業ネットワークも広げたいと、市内2店舗でのアルバイトを約1年経てオープンにこぎ付けた。

　「20年ぶりに帰郷した浜松は、活気が無くて残念に感じた」と坂下さん。多くの人が街中へ足を運ぶきっかけになればと、平日でも朝6時までの営業と、リーズナブルな価格設定を打ち出す。市内飲食店は営業時間が短く、同業者が立ち寄れる場所がないことも懸念。「深夜になると、客のほとんどが同業種」と坂下さん。コミュニケーションができることで、帰郷して間もない坂下さんにとっては「地元の潜在能力を知るきっかけにもなる」とも。

　約30坪の店内は、カウンター7席とテーブル32席、ソファ6席。レストラン風に仕上げた店内のモニターからは「トムとジェリー」や「チャーリーとチョコレート工房」など、メジャーでありながらも音声が無くてもシーンの妨げにならないような洋画をチョイスして流す。しまうま柄のクッションやハンガー、木製の人形など、随所にしまうまモチーフを施す。

　料理はフレンチとイタリアンをベースにした西洋料理がデザート込みで53種類。「パテ・ドゥ・カンパーニュ」などのフレンチベースのおつまみや、ピザ「マルゲリータ」（以上626円）などのボリュームのあるメニューのほか、ココアパウダーでゼブラ柄を表現する店名にちなんだスイーツ「しまうまティラミス」（410円）などをそろえる。ドリンクは飲み放題メニュー（2時間＝1,620円もしくは2,160円）を用意。深夜24時から営業終了までの6時間は、フードメニューを1品でも注文すればドリンク飲み放題となる。

　東京で坂下さんと共に切磋琢磨（せっさたくま）したバーテンダーが常駐する同店。「ゆくゆくは2店舗目をオープンしたい」と坂下さん。早い営業時間は女子会などのコース料理がメーンで、深夜から朝まではメニューに無い料理を常連客の要望に応える形で提供する柔軟性を持ち合わせる。「同業種へのまかない感覚や、終電・終バスを逃してしまった人へ、漫画喫茶もいいけれど手作りの料理と豊富なドリンクで、朝まで過ごしていただけるような位置づけにしてもらえたら」とも。

　営業時間は、月曜18時～翌1時、水曜～日曜は18時～翌6時。火曜定休。