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浜松の自動車フィルターメーカーがマスク発売 医療用にも対応できる国産不織布マスク

医療用にも対応する国産マスク「纏(まとい)」

医療用にも対応する国産マスク「纏(まとい)」

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 二輪・自動車用のフィルター機器などを製造する「ROKI(ロキ)」(浜松市天竜区二俣町、TEL 053-401-8588)が10月から、不織布マスク「纏(まとい)」の店頭販売を開始した。

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 世界12カ国22拠点に展開し、国内主要自動車メーカーに向けた二輪・自動車用フィルター機器などを製造する同社。自動車用フィルターは、世界最高峰レースのF1でも採用され、国内外から高い評価を受けているという。

 自動車業界全体の構造が変革期を迎える中、新たな事業への取り組みを進めている同社。医療現場でも使われる「サージカルマスク」の国内自給率が低く、新型コロナ禍において一時深刻な供給不足に陥ったことと併せて、性能面・品質面に関する問題が顕在化したことで、国内での生産・供給の重要性を感じた。創業60年の間で培ったフィルター製造技術を生かした高性能な国産マスクを生産することで、社会貢献できるように目指し、マスク事業への進出を決めた。

 フィルターとなる不織布の性能や形状、着け心地に影響を与える耳ひもまでこだわり、商品開発。大気から不純物を取り除く不織布は、ウイルス飛まつを99%カットする機能を持ち、ASTM(米国試験材料協会)が定めるサージカルマスクの最高性能レベル3をクリアした。快適な付け心地を実現するために、高い通気性を持つ独自の3層構造と、装着時のフィット性を重視したデザインに仕上げた。商品名は、江戸時代に火消しが用いた旗印の「纏」と、「身にまとう」の2つの意味に由来しており、新型コロナの沈静化を願い名付けた。

 延べ床面積約1,100坪で、1日約100万枚、1カ月で約2,000万枚のマスクを製造可能な専用工場(浜北区中瀬)を新設し、今年7月より製造を開始。自社工場内で一貫生産し品質管理することで、安心して使用できるマスクを提供する体制を整えたという。「海外で作った素材を輸入して日本で組み上げるだけでも『国産』とうたい販売できるが、当社の不織布と耳ひもは、全て国内の自社工場で生産している」と新事業企画室の田中康嗣さん。

 全く新しい事業への参入だが、順調に販路拡大しているという。今後は、カラーバリエーションの追加や、さらに高性能な商品の販売も計画している。「フィルター性能が高いと通常は息苦しく感じるが、同商品は通気性能も兼ね備える。耳ひものやわらかさやフィット感など、細部までこだわったマスクを一度試してほしい」と田中さん。「世の中の安心安全を思い、心を込めて作り上げたマスクを通じて、社会に貢献していきたい」とも。

 価格は、1箱(50枚入り)=3,300円、1袋(7枚入り)=498円。「ふつう」「小さめ」の2サイズを用意し、いずれも同額。ドラッグストアやコンビニ、公式ホームページなどで販売する。

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