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浜松の食用油会社で創業150周年記念イベント

「浜松を盛り上げたい」と話す社長の木下さん

「浜松を盛り上げたい」と話す社長の木下さん

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 食用油製造・販売会社「村松製油所」(浜松市西区湖東町、TEL 053-486-0017)が現在、創業150周年の記念イベント「あぶらや周年祭」を開催している。

古民家をリノベーションした「カネタのあぶらや」と「古民家キッチンゑふすたいる」

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 ごま油や菜種油などの食用油の製造・販売を行う同社は、1872(明治5)年に創業し、今年で150年目を迎える。電気やガスがない創業当時、伊佐地川沿いに位置する同所は、紡績や繊維会社などが集まる産業地域として栄えていたという。その中で同社も、水車を使い川の流れを動力としながら、菜種油を製造していた。

 太平洋戦争の戦火に見舞われ、一度は全ての設備を失ったが、先々代社長の強い思いで復興。交通網が発達していない1950(昭和25)年に、九州から取り寄せたゴマの搾油機は、今も現役で稼働する。時代の流れと共にオートメーション化が進むが、先人の知恵や技術を残したいとの思いで、使い続けているという。

 同社は創業一族が代々受け継いできたが後継者がなく、昨年6月に5代目社長として木下伸弥さんが就任。取引先の大半が飲食店や食品メーカーのため、新型コロナ禍の影響で厳しい経営環境に置かれるが、状況を打開するため積極的に新規事業を展開した木下さん。同社の敷地内にある創業家が住居として使っていた古民家を、昨年6月にリノベーション。同社直売店「カネタのあぶらや」とレストラン「古民家キッチンゑふすたいる」をオープンした。

 同イベントは、同社の150周年と古民家の2店舗の1周年記念として開催している。「カネタあぶらや」では限定商品を用意。「今までにないラー油」をコンセプトにした「香味ラー油」(500円)は、ごま油とトウガラシに加え、独自にブレンドしたスパイスの香りを楽しめる。「あぶらやの悪戯(いたずら)超ブラックラー油」(550円)は、世界一辛いトウガラシとしてギネス記録を持つ「トリニダードスコーピオン」を入れて激辛に仕上げた。「古民家キッチンゑふすたいる」では、同社の油と地元産ブランド豚「竜神豚」のローストポークを使う「四川風マーボー丼セット」と「冷静担々麺セット」(以上、1,500円)の2品の記念メニューを用意。同店の食事券などを景品とする、くじ引きも開催する。

 10~12日の3日間限定でマルシェも開催。「遠州綿紬」を使うアクセサリーショップ「riomoon500」は、和の色彩を楽しめるカラフルなデザインのピアスやイヤリングを販売。このほか、岩塩と手作りドライフラワーポプリ花材などを扱う「salon coco color」や耳つぼマッサージ店「らふわ」など、日によって異なるが計6店が出店する。

 新型コロナウイルス対策として、来店時に手指のアルコール消毒と検温を求める。スタッフは、出勤前の検温、マスク着用、手指消毒を義務化。店内は、窓を開放し常に換気を行う。

 「当社の蔵をリノベーションした『油絞りの体験工房』を今年7月にオープンし、ワークショップの開催を予定している。浜松にある唯一の油店として、油の魅力を発信して楽しんでもらいたい」と木下さん。「150年続けて来られたのは地域の人の支えのおかげ。今後さらに地域に貢献して、浜松を盛り上げていきたい」と話す。

 開催時間は10時~17時。「古民家キッチンゑふすたいる」営業時間は11時~15時30分。マルシェ開催時間は10時~15時。6月12日まで。

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