浜松の「まちなか保健室」が5月末で閉館-月200人が利用

まちなか保健室の外観

まちなか保健室の外観

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 浜松・神明町のゆりの木通りにある「まちなか保健室」(浜松市中区神明町、TEL 053-456-0222)が5月31日、閉館する。

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 同施設は中高生を中心に学校でのいじめ問題やDV(ドメスティックバイオレンス)、性の悩み、体調不良、精神的病などに悩む人の無料相談所として昨年11月に開館。浜松市の緊急雇用創出事業の一つとして休学中の学生や元介護施設職員らをスタッフに採用し運営してきた。市内の婦人科医や元養護教諭らもボランティアとして参加し、同施設をハブとして教育委員会や医療機関などと連携し問題解決に当たっていた。

 もともと5月までの期間限定で、その後の長期的な運営の道を模索していたが運営費などの問題から存続が難しいと判断し、予定通りの閉館が決った。

 同施設を運営するNPO法人「魅惑的倶楽部(エキゾチッククラブ)」(常盤町、TEL 053-457-2616)理事長の鈴木恵子さんは「7カ月間やってきて、当初考えていた以上に反響があり、訪問者も月に200人ほどが施設を訪れた。スタッフだけでなく、自治会の人をはじめ地域の人の協力もあり、温かく見守ってもらえた。行政などいろいろなところに、こうした場所の必要性は提言できたと思う」と話す。

 当初は10代の若い世代をターゲットとしていたが、実際に運営していくと小学生から40代までと、幅広い世代の人が相談に来たという。「仕事の事、友人関係、親子関係など、月20人ほどの相談を受けた。『人に打ち明けることで楽にになった』という人もいれば、セクシャルマイノリティーなどの深刻な相談も多く、見えないだけで悩んでいる人は多いということも感じた。運営面で見るとどうしても相談者数などの数で判断されてしまうが、いろいろな悩みを持った人がいて、悩みの深さなどを考えると数字だけで片付けられないところがある」と鈴木さん。

 閉館後はNPOとして相談者のアフターケアや相談の受け付けを続けていくという。

 鈴木さんは「いろいろな悩みを持った人はたくさんいる。一人で考え込まずに誰かに話すことで這い上がれることもある。わかってくれる人は必ずいるので、自分は一人ぼっちではないということを忘れないでほしい。施設は無くなってしまうが、今後も何かしらのかたちでサポートしていきたい」と話す。「保健室の再開をはじめ、こうした活動に協力できる方、違う面で応援できる方がいれば個人企業を問わず力を貸してほしい」とも。

 同施設での相談は31日の午前中まで。それ以降の相談、問合せは魅惑的倶楽部で受け付ける。

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