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浜松・白羽町のバイクウエア専門店が移転リニューアル 創業当時の店舗再現

多くの来店に期待する社長の櫛谷さん

多くの来店に期待する社長の櫛谷さん

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 オートバイウエアを製造・販売する「クシタニ」(南区)の旗艦店「クシタニ浜松本店」(南区白羽町、TEL 053-488-8884)が9月18日、リニューアルオープンした。

力強く無骨だがスタイリッシュな空間が広がる店内

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 革ジャンパーやランドセルなどを扱う革製品店として1947(昭和22)年、「櫛田商店」として創業した同社。1950年代に浜松のバイクメーカーが世界のバイクレースに参加するための革製ツナギを作ってほしいという依頼を受けたのをきっかけに、オートバイ用品を手掛けるようになった。現在は、ライダーが必要とするジャケットやグローブ、ブーツなど、ヘルメット以外のウエアほぼ全てを扱う専門店として全国に26店舗を展開している。2013(平成25)年からは、ライダーの集いの場を目指したカフェも4店舗運営。本社社屋の1階で運営していた同店は、全国各地に新しくオープンした店舗と比べるとデザイン性で見劣りしていたといい、ブランドとしての統一感を表現したいと考えた。「原点回帰」を店舗コンセプトに定め、同社の歴史を紹介しながら、最新商品を販売する旗艦店としてリニューアルオープンにこぎ着けた。

 店舗は2階建てで、面積は約180坪。店舗の中には輸送用コンテナをそのまま入れ、販売ブースの間仕切りのデザインに使う。内外壁のダークグレーのガルバリウム素材で店舗を囲み、力強く無骨だが、現代的でスタイリッシュなイメージに仕上げた。

 1階には、商品販売ブースと同社の歴史を紹介するスペースを用意。現在準備中だが、実際にプロライダーが使ったレーシングスーツをパネルに入れ展示するコーナー「ヒストリーロード」を設置。最新のものから過去へとさかのぼれるよう順に紹介し、その先に創業当時の商店をそのまま再現したスペースへとつながるよう演出。約10坪のスペースに、作業台やミシン、当時のクラシックなオートバイなどを展示し、昭和レトロを思わせる空間が広がる。「この商店があったからこそ、今のクシタニがある。文章や動画では伝わらないものがあると思い再現した」と社長の櫛谷淳一さん。スペースを活用し、今後は、トークショーや職人によるものづくり見学会などの交流イベントを企画していくという。

 2階には、来店客の休憩スペースと、職人が作業する「クラフトスペース」を設ける。「『要望があればすぐに修理に対応する』という創業者の思いを形にした」と櫛田さん。ガラス張りのため、買った商品の裾上げや商品作りの様子を見学することができる。

 「良いものを長く使う」という創業から続くこだわりを貫く、オリジナル商品を提供。同社が特許を持つ素材を使う「エクスプローラージーンズ」(6万1,600円~)は、牛革製だが見た目はデニムで、家庭で簡単に洗濯できる。はっ水性があり、色落ちした時には再度染色もできる。ライダージャケットの中に着る「ミッドパーカー」(2万2,000円~)は、ストレッチ素材で防風性能が高く、カジュアルな普段着として使うこともできる。このほか、国産牛革を職人が一つ一つ手作業で作り上げる本格的な「レーシングスーツ」(19万8,000円~)や、創業当時の屋号をデザインした「キーホルダー」(990円~)などをそろえる。

 新型コロナウイルス対策として、来店時に手指消毒と検温、マスク着用を求める。スタッフは、出勤前の検温、マスク着用、手指消毒を義務化。店内は、空調システムを導入し換気を徹底する。

 オープン後は、多くのファンが自らのバイクに乗り、詰め掛けているという。櫛谷さんは「バイク好きな方には必ず喜んでもらえる店にしたので、足を運んでほしい。あまりバイクに触れることが無かった方も、来店することでバイク興味を持つきっかになればうれしい」と話す。

 営業時間は10時~19時。水曜・木曜定休。

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