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浜松の老舗ブティックが60周年-閉店の危機も乗り越えて

「Sun Marry」オーナーの佐々木まり子さん

「Sun Marry」オーナーの佐々木まり子さん

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 浜松・肴町のブティック「Sun Marry(サンマリー)」(浜松市中区肴町、TEL 053-458-7065)が12月、60周年を迎えた。

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 50ブランド以上の女性用の洋服やかばんなどを取り扱う同店。1953(昭和28)年秋に創業。少しずつ洋服が身近な物になってきた時代で、流行に合わせ現オーナー、佐々木まり子さんの祖父母がウール素材のオーダーメードニットの店「羊屋」を田町で開業。その後産業化が進み既製品の洋服が多くなり始めた1968(昭和43)年に母・敬子さんが店を引き継ぎブティックに転換。1997年に佐々木さんがオーナーとなり店名を「Sun Marry」に改名した。店名の由来は「まり子さんの名前をもじったのと、女性が太陽(Sun)のように輝くお手伝いをするという意味で付けた」と佐々木さん。

 バブル崩壊後の不況の煽(あお)りを受け1997年には閉店の危機もあった。その際に常連客や取り扱いメーカーから「店を続けてほしい」という励ましの声を掛けられた。当時、まだファッションの勉強中だった佐々木さん。これをきっかけに店を継ぐことを決意。「泣きながら店をやめないでほしいと言ってくださる方もいて自分も涙が出た。その時からお客さんのおしゃれに対して責任を持たなければと強く思うようになった」と当時を振り返る。

 2007年に田町から現在の肴町の店舗に移転。店舗を探していた時に条件の良い物件を見つけたことでの移転だったため、約1カ月での慌ただしいオープンとなった。

 同店のキャッチコピーは「3歳から100歳まで」。来店客の最高齢は98歳。ベビー用品も扱っているため家族4世代で利用してくれている客もいるという。通販では北海道や海外など遠方からの注文も。商品は、佐々木さんが毎週のように東京や大阪などにあるメーカーや商社のもとへ自ら買い付けに行く。普段着のTシャツからミスユニバースの公式ドレスにも選ばれているブランド「TADASHI」のドレス、「気軽な上質」をテーマにおしゃれなトレンド商品を提供する「ABISTE(アビステ)」のインテリア小物など、さまざまなシチュエーションで利用する洋服やアクセサリーなどを用意する。

 昨年は同店オリジナルの女児用帽子を制作。今回の60周年を記念し淡水パールやクリスタルガラスなどを装飾したオリジナルネックレスも制作し販売している。

 12月21日にはオークラアクトシティホテル浜松(中区板屋)で常連客や友人、メーカーなど、「世話になった」約160人を招き60周年記念パーティーを開催。食事をしながらバイオリニストの演奏会や同店が取り扱うブランドの新作商品のファッションショーなどを行う。

 「自分にできる社会貢献は女性のおしゃれを手助けすること」と佐々木さん。「女性がきれいになり輝けば浜松ももっと活気づくと思うので、これから先も店を続けていきたい」とも。

 営業時間は10時~19時30分。水曜定休。

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