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浜松・三方原町のフランス料理店が10周年 「地産旬食」掲げ、野菜生かしたメニュー構成で

店主の山田秋晴さん

店主の山田秋晴さん

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 フランス料理店「ラ・セゾン・デ・プリムール」(浜松市北区三方原町、TEL 053-438-2125)が5月14日、オープン10周年を迎えた。

地元の旬の野菜をふんだんにつかった「旬野菜とホタテ貝柱のテリーヌ」

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 フランスや県内のフランス料理店で約15年修業した店主の山田秋晴さん。駆け出しのころからいつかは独立したいと考えていたが、子どもが小さく踏み切れずにいたところ、親の後押しがあり独立を決意。野菜の種類が豊富な三方原台地で、ファーマーズマーケットも近い同所を選び10年前に夫婦で開業した。

 オープン当初は客足も伸びず、「どうしたら認知されるのか」が課題だったという。ダイレクトメールを送ったり広告をうったりと宣伝にも力を入れたが、昼からフレンチを食べに来店する客も少なく値段の設定に苦悩した山田さん。安くしようと考えたこともあったが、クオリティーを落とさずいい料理を提供しようという信念で続けてきた。しかし、仕入値が上がったり、税金もあがるなど苦しいことが続き、値上げに踏み切ったこともあるという。山田さんは「値上げする時は苦渋の決断だったが、それでも客がついてきてくれたことがうれしかった。手を抜かずいいものを提供してきた積み重ねが、きっちりと客に伝わったのだと思う」と振り返る。

 店名は「季節の新鮮なもの」を意味。「地産旬食」を掲げ、地元でうまれたものを旬で食べることをモットーにする。同店で使う野菜約30種のうち8割以上が浜松産。近くのファーマーズマーケットで新鮮な野菜を調達する。マーケットを通じて農家の人と話し、「もっとこうだったら」という要望を伝えることもあるという。肉も県内産のものをできるだけ使い、魚介も近海ものを使う。フランス料理の見た目の美しさを意識しながら、地域の野菜を生かして調理。10周年を記念し、特別なコースも用意する。コースでは、「旬野菜とホタテ貝柱のテリーヌ」や、「三方原馬鈴薯とごぼうの冷製ポタージュ」、「ビーツのムース」、「牛バラ肉の柔らかデミグラス煮込み」などを提供。テリーヌは野菜をピューレ状に固めたもので、アスパラやベビーコーン、ズッキーニなどの地元の旬の野菜をふんだんに使う。

 店内は漆喰の塗り壁で、床はレンガ造り。ヨーロピアンな雰囲気をだす。華美でなくシンプルに居心地のいい空間づくりに心がけているという。店舗面積は約16坪。テーブル24席を用意する。

  10周年を迎え、常連客から花をもらった山田さん。現在では毎週通う客もいて、5割以上の客が常連客だという。「年配の人にも若い人にも来てほしい。これからも客のニーズに応え、新規の客を増やしていきたい」と山田さん。「いつでも100パーセントの全力で営業している。気を抜かず、客に満足してもらうために常に努力していく」と意気込む。

 営業時間は11時30分~15時、18時~22時。月曜・第2日曜定休。10周年記念メニューは6月30日まで。

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