ライブバー「TEHOM（テホム）」（浜松市中区田町）がオープンして1カ月がたった。

バンドやクラブイベントのための音響機材を備える「テホム」

　店主の中村慎吾さんは、仕事の傍ら、バンドでギターやシンセサイザーなどの演奏を担当し、15年ほど音楽活動をしてきた。中区田町のライブハウス「キルヒヘア」が昨年3月に閉店した影響で、浜松市内でアンダーグラウンド音楽を楽しむ場が限られてしまったという。アバンギャルドやサイケデリック系などのニッチなジャンルの音楽を、気軽に発信できる空間を作りたいと考えた中村さん。音楽と酒を楽しみながら心地よい空間を提供するライブバーとして、オープンにこぎ着けた。

　店舗面積は約23坪で、カウンター席6席、テーブル席4席の計10席を用意。店内は、打ちっぱなしのコンクリート壁で囲み、床はむく材を使う落ち着いた空間に仕上げた。ドラムセットやアンプ、PAスピーカーやDJブースなどの音響機材を完備。イベントの際は、照明設備でフロアを照らして演出する。

　バンドやクラブイベントなどの主催者は、店舗を貸し切ってイベントを開催できる。「音楽イベントはもちろん、音楽スクールの発表会やアートギャラリーなど、さまざまな用途で使ってもらいたい」と中村さん。イベントを開催しない日はバーとして営業する。

　ドリンクメニューは、ビールやウイスキー、カクテルなど、約60種類を用意。「マルゲリータピザ」（700円）や「いぶりがっこと酒粕」（900円）などの軽食も提供する。

　新型コロナウイルス対策として、来店時に手指消毒、飲食以外の時間はマスク着用を求める。スタッフは、出勤前の検温、マスク着用、手指消毒を義務化。密を避けるため、混雑する場合は入場制限を行う。

　貸し切り利用の予約を徐々に受け付けているが、SNSや口コミを通して今後さらに周知されるように期待する。「大きなライブハウスでのイベント開催のようにハードルは高くないため、気軽に利用してほしい」と中村さん。「コロナ禍でやり場がなくなったミュージシャンや音楽ファンの人たちに、心地よい空間と音楽を提供したい。ここに行けば面白いことをやっていると期待される店になれたら」と話す。

　営業時間は19～24時。貸し切り利用の場合は、営業時間以外も対応する。店舗の貸し切り利用料は、1日＝3万円、金曜・土曜・日曜・祝日・祝前日＝4万5,000円（以上、音響機材のレンタル料含む）。