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浜松・小松の眼鏡・補聴器店が88周年 技術磨き地域貢献目指し

「地域に支えられ今がある」と話す会長の内山誠さん(左)と社長の淳さん(右)

「地域に支えられ今がある」と話す会長の内山誠さん(左)と社長の淳さん(右)

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 眼鏡と補聴器を販売する「天竜堂」(浜松市浜北区小松、TEL 053-587-2020)が10月、創業88周年を迎えた。

眼鏡と補聴器を販売する浜北本店

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 時計・宝石・眼鏡の販売店として、1933(昭和8)年に創業した同店。主に機械式時計を取り扱い、「創業者の祖父は手先が器用で腕の良い時計職人だったと聞いている」と当時を振り返る社長の内山淳さん。時代の流れと共に電池式の廉価な時計が普及する中で、2代目社長で現会長の内山誠さんは、業態変更を決意。1970(昭和45)年に眼鏡専門店を新たに開業した。現在はプラスチック素材のレンズが大半を占め、機械で簡単に加工できるが、当時はガラス素材が多く、割れやすいため慎重な加工が必要だったという。市内の店舗では初となるドイツ製の自動加工機を導入し、短時間での納期を実現。浜松市内に1軒しかなかったコンタクトレンズの販売を始めるなど、常に新しいことに投資・挑戦していたという。

 淳さんは半導体関連のエンジニアの仕事をしていたが、歴史ある家業を継ぐことを決め、東京の眼鏡店に勤務し経験を重ねた後、同社に入社。2011(平成23)年に3代目社長に就任した。アメリカやイタリアのサングラスメーカーとコラボしたオリジナル商品を発売して成功を収めるなど、自身のアイデアを全面に出し、勢力的に新規事業を発案していたという。しかし、リーマンショックの影響で業績が不振する中で、「自分一人だけの力ではなく、社員と共に天龍堂のブランドを築き上げる必要があると改めて気づいた」と淳さん。全ての社員が職人となれるように目指し、技術を磨き、学び続けるよう社員教育に注力。顧客一人一人と向かい合いコミュニケーションを重ねることで、最適なものを提案し、地域に貢献し信頼される店づくりを目指している。2018(平成30)年からは、防音室を設置し、本格的に補聴器の販売を開始。「認定補聴器技能者」の資格を有する社員が在籍し、視聴覚のいずれの悩みにも対応できる店として運営。現在、県西部の5店舗での販売と通販事業を手掛ける。

 眼鏡はオリジナル商品からスポーツブランドのサングラス、形状記憶形状フレームなど幅広くそろえ、補聴器も取り扱う。レンズ・フレーム・ケースがセットになる眼鏡「近視 遠視 乱視 老眼用セット」(11,000)円は、薄型レンズに防汚加工とUVカット機能が付く。性能のよいレンズを使う「プレミアム遠近両用セット」(39,800円)は、揺れやゆがみの少ない快適な見え心地の商品。このほか、デザイン性が高く日本製のブランドフレーム「999.9(フォーナインズ)」(フレームのみ=2万5,000円~)などをそろえる。補聴器は、ドイツ製でスタイリッシュなデザインが特徴の「シグニア」(194,000円~)などを扱う。現在、周年記念で対象商品を購入した場合、レンズとフレームを割引販売。合わせて、「天竜産の玄米」や「遠州綿紬の眼鏡ケース」などの浜松ゆかりの品をプレゼントする抽選会も開催している。

 新型コロナウイルス対策として、来店時に手指消毒と検温、マスク着用を求める。スタッフは、出勤前の検温、マスク着用、手指消毒を義務化。店内は、空調システムを導入し、換気を徹底する。

 初代社長が営んでいた当時の顧客が今でも来店することがあるという。淳さんは「地域の方のおかげで、祖父から3代に渡り続けてくることができ感謝している。今後も、地域の一助となれる会社を目指し、社員一同技術を磨き学び続けていきたい」と話す。

 浜北本店の営業時間は9時30分~19時。周年記念企画は10月31日まで。

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