浜松市役所（TEL 053-451-1114）に現在、3台のストリートピアノが設置されている。

　「アジア圏で最も権威あるピアノコンクール」とも呼ばれ、3年に1度アクトシティ浜松で開催する「浜松国際ピアノコンクール」。今年は開催年を迎えるが、新型コロナ禍の影響のため中止。現在、代替イベントとして、浜松にゆかりを持つピアニスト10人が出演するコンサート「浜松国際ピアノ・フェスティバル 2021」を開催している。「コンサートだけでなく、一般市民が実際に楽器や音楽に触れる場を設けたいと考えた」と同財団文化事業課の伊藤渉さん。関連事業として、浜松市と浜松市文化振興財団が共催で「浜松市役所ストリートピアノ『Touch & Play（タッチアンドプレイ）』」と題して、同所では初の試みとなるストリートピアノの設置を決めた。

　浜松市役所1階の市民ロビーに、期間限定で3台のピアノを設置。地元楽器メーカー「ヤマハ」「河合楽器製作所」「ローランド」の協力の下、各メーカーの電子ピアノが並ぶ。予約不要で、来庁者は誰でも好きなタイミングで演奏できる。

　期間中にはミニコンサートも行い、来庁者が音楽に触れる機会を提供する。「ランチタイムコンサート」は、地元を拠点に活動するプロ演奏家が出演。11月22日にはピアノコンサートを開催。「浜松学芸高等学校生徒によるミニコンサート」も同時開催され、同校でピアノを専攻する2人の生徒が出演した。24日はピアノとフルートのコンサートを行い、25日と26日は、中止になった「浜松国際ピアノコンクール」に出場予定だったピアニストが演奏。いずれも、観覧無料で立ち寄った人が気軽に楽しむことができる。

　新型コロナウイルスの感染対策として、手指消毒とマスクを着用して演奏するように求める。ピアノは定期的に消毒し、その周辺はソーシャルディスタンスを保つように呼び掛ける。

　伊藤さんは「市役所に用事がある人も、この企画を目的に来庁する人も、楽しく音楽に触れてもらいたい。好きなジャンルの音楽を自由に演奏してもらえれば」と話す。

　ストリートピアノ演奏時間は9時～17 時 。11月26日まで（23日休館）。ランチタイムコンサート開催時間は12時15分～12時45分。